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便利なアイテム

重度の障害を持ちながら在宅で暮らすためには、家族の協力と公的な看護・介護サービスが不可欠です。それだけではなく、生活のいろいろな場面で工夫が必要になります。「こんなものがあったら便利だ」と思っているものが結構売られています。土屋竜一が実際に使っているアイテム(道具・器具)をご紹介します。

車いす用クッション

体圧を分散し床ずれ(褥創)を防止するクッションを使うことで、車いすに乗っている時間を長くすることが可能です。土屋竜一も通常のシートでは1時間しか車いすに腰掛けていられませんでしたが、テンピュール社のクッションによって12時間ももつようになりました。

現在は、日進医療器の「フローテック」を使っています。ここ数年、お尻の骨の変形から坐骨神経痛に悩まされていて、車いすの新調を機にクッションも探しました。車いすの設計者の松井順一さん(マツイ商会社長)がご自身愛用のクッションを紹介してくれました。それが「フローテック」。サイズが合わないので小さめのものに左右の補強を加工してもらいましたが、乗り心地が良く、坐骨神経痛が劇的に改善しました。身体の変形もある程度サポートされるので、最適な姿勢を保ったまま長時間、車いすに乗っていられます。カバーが薄い布製なので、乗り降りや座り方の調整も楽にできます。かといって滑りすぎることもありません。優しく、しっかりとお尻を包み込んでくれます。

トイレ用車いす

排便をトイレで行う。これが生活を明るくすることを、シャワーキャリーが教えてくれました。乗り降りのためには工夫も必要ですが、使いこなすことができれば手放せなくなります。

ワイヤレスコール

身体の動かない人、声も出せない人が介護者を呼び出すためのワイヤレスコール。痰が詰まった、呼吸器が外れた、そんな急を要する場合に力を発揮します。土屋竜一は指にも力が入らないので、軽くボタン押せて、一回押せば、受信機がブザー音に続けて「呼び出しです」という音声メッセージを7回鳴らすというアイホン製のものを使っています。マイク機能もついているので便利です。

手の褥創予防

土屋竜一は右手の小指でタッチパッドを触ってパソコンを操作します。その際、手首近くが支点になるため、その部分が絶えず当たっています。褥創予防のため、「外反母趾」保護用の、穴の開いた小さなクッションを貼っています。手の位置のずれ防止にもなるので重宝しています。

吸引用具一式の整理ボックス

療養や介護の便宜上、いろいろな備品や用具、消耗品などが雑然とするものです。殊に吸引機に関する用具一式がガチャガチャします。できれば見た目すっきりのほうが気持ちがいい、ということで、手ごろなメイクボックス(化粧道具入れ)を見つけました。消毒液入りの吸引カテーテル&ピンセット入れ、アルコール綿キャスト、洗浄ビンなどがすっぽり収納できます。ポケットも何かと便利。ふたも軽くできるので衛生的です。